2018年09月14日

親権者を決める手続

親権者を決める手続

協議離婚の場合は、話し合いにより夫婦のどちらか片方を親権者と決めます。未成年の子どもがいる場合に離婚をする為には、親権者も同時に決めないと離婚は出来ません。離婚届には親権者を記載する欄が設けられており、親権者を記載しなければ離婚届自体を、役所で受け付けてもらえないからです。

離婚の際に取り決めるべき条件は様々あり、財産分与・慰謝料等については、離婚後に条件を決定する事もやぶさかではありませんが、このように、親権者の決定だけは離婚する際に絶対取り決めねばなりません。

親権者を決める話し合いで折り合いがつかない場合には、親権者の指定を求める調停を家庭裁判所に申し立て、裁判所における調停の話し合いを通じて親権者を決めていく事になります。もっとも、親権の帰属は離婚の条件でも重要なもののひとつですので、親権争いの話し合いが決裂した場合は、そもそも離婚をするかしないか自体が問題になりえます。その為、親権が決まらない場合には、離婚調停の申立をしてしまって、その調停の中で親権の話し合いもしていくのが一般的です。

親権者の決定について調停でも折り合いがつかない場合には、親権者指定の審判手続に移行し、裁判所の判断により親権者を指定して貰う事になります。また、離婚調停で親権者の折り合いがつかず、離婚の条件がまとまらない為に離婚調停が不調に終わった様な場合には、離婚訴訟を提起して離婚の成否や離婚の条件について争う事になります。この時、離婚の条件のひとつとして親権をどちらにするかを裁判所に判断して貰うよう申立をすれば、裁判所が判決で親権者を定める事になります。

なお、いったん決めた親権者等を変更したい場合には、親権者変更の調停・審判や監護権者変更の調停・審判を家庭裁判所に申し立てて、新たな親権者を家庭裁判所で指定して貰う事になります。この場合、子どもの利益の為に必要があると認められる時に限って、親権者や監護権者が変更される事になります。変更すべき特段の事情が必要となりますので、ハードルは高いといえます。



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2018年09月13日

親権と監護権

親権と監護権

親権の中には、既に述べたように「身上監護権(居所指定権、懲戒権、職業許可権等)」が含まれています。親権の中で、この身上監護権のみを取り出して、親が子どもを監護し教育する権利義務を「監護権」と呼んでいます。言い換えると、監護権とは、親権のうち子どもの近くにいて、子どもの世話や教育をする親の権利義務という事になります。

監護権は親権の一部ですから、原則として親権者がこれを行使します。親権者と監護権者は一致した方が、子どもの福祉に資すると一般に考えられています。しかし、親権者が子どもを監護できない事情がある場合や、親権者でない片方が監護権者として適当である場合には、親権者と監護権者が別々になる事もありえます。

たとえば、
「親権者は父親だが、父親は海外出張で子どもの世話や教育がまったく出来ない。」
「財産管理については父親が適任であるが、子どもが幼いので母親を監護権者とした方が子どもの世話をする上では都合がいい。」
「親権者をどちらにするか折り合いがつかず、そのままどっちつかずの状態では子どもの精神的・肉体的な成長に悪影響がある。」

といったような事情がある場合には、例外的に父親=親権者、母親=監護権者(逆ももちろんあり得ます)と定める事が出来ます。この様に、親権と監護権は原則として同一の親に帰属するけれども、例外的にこれらを別々に定める事も出来る、という扱いになっています。



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2018年09月12日

身上監護権

身上監護権

1、身分行為の代理権
子どもが身分法上の行為を行うにあたっての親の同意・代理権(同737条、775条、787条、804条)

2、居所指定権
親が子どもの居所を指定する権利(同821条)

3、懲戒権
子どもに対して親が懲戒・しつけをする権利(同822条)

4、職業許可権
子どもが職業を営むにあたって親がその職業を許可する権利(同823条)

などがあります。いずれも親の権利ではありますが、そのいっぽうで、社会的に未熟な子どもを保護して、子どもの精神的・肉体的な成長を図っていかなければならない親の義務という側面もあります。

成年に達しない子どもは親の親権に服することになり、その親権は父母が共同して行使することが原則です(同818条3項)。

ただし、父母が離婚する場合、父母が共同して親権を行使する事は出来ませんから、父母のいずれかを親権を行使する親権者として定める必要があります。父母が協議上の離婚をする場合は、その協議で親権を行使する親権者を定め(同819条1項)、裁判上の離婚をする場合は、裁判所が父母の片方を親権者と定める事になります(同819条第2項)。



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