盗聴テープを証拠能力とみなした判例
夫の電話を盗聴したテープを証拠に、妻が夫の不倫相手に1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1990年(平成2年)11月28日東京地裁であった。
谷口幸博裁判官は「たとえ証拠取得方法に違法があっても、証拠能力が失われるとはいえない」と、盗聴テープの証拠能力を認め「守操請求権を侵害した」として不倫相手の女性に400万円の支払いを命じました。
判決によると、A子さんの夫(54歳)は1986年(昭和61年)、理由を告げずに家を出て、被告B子さん(54歳)方の隣室で生活するようになった。翌87年(昭和62年)5月、夫から暴力を振われた上に「家を出なければ殺すぞ」などと脅されたA子さんは自宅を出たが、興信所に調査を依頼したりした結果、夫とB子さんが親密な交際をしている事が判明し、提訴しました。
この判例は、多くの人が抵抗なしに受け止める事が出来ると思います。日本の法律も、基本的にはこの判例の延長のようです。しかし今までの例を見てもわかるように、日本においては盗聴行為そのものを直接規制する「盗聴罪」という法律がありません。盗聴を悪用した時の罰則や、使用における規制の方法の改善を望んでいるのです。悪用された被害者側から見れば、現行の罰則は的外れであり、またそれ自体も微罪である為、法の保護による安心感はなく自衛を決意する方が殆どです。現時点においては野放し状態というのが実情ではないでしょうか。
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